NYダウ続落、一時100ドル超安 米中関係の悪化警戒
【NQNニューヨーク=張間正義】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落して始まった。午前9時35分現在、前日比114ドル98セント安の2万5285ドル66セントで推移している。トランプ米大統領は中国への米国の対応措置について29日に発表する。中国による香港への統制強化を受けた措置に関した内容になる可能性があり、米中対立への懸念から売りが出ている。
中国が28日に全国人民代表大会で反体制活動を禁じる「香港国家安全法」の制定方針を採択したことに伴い、米政権は対中制裁を科す見通しだ。トランプ氏が中国の責任論を唱える新型コロナウイルスの感染拡大への報復も念頭にあるとみられている。中国は米国が制裁に動けば報復措置をとる構えで、米中対立が一段と激しさを増す。
朝方に米商務省が発表した4月の個人所得は前月比10.5%増だった。新型コロナの影響で失業者が大きく増えたものの、失われた労働所得を上回る失業保険の給付が影響した。もっとも、感染抑制のための外出規制や店舗の一時休業で個人消費支出(PCE)は13.6%減少し、統計開始の1959年以来過去最大の下げ幅だった。所得増加と消費減少で個人貯蓄率は33%に急上昇した。「経済再開で夏にかけ個人消費は強含む」(CIBCキャピタル・マーケッツ)との指摘もあった。
建機のキャタピラーと化学のダウが下落した。金融のゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースも安い。一方、ソフトウエアのマイクロソフトや半導体のインテルなど主力ハイテク株は高い。