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11季ぶり16回目の優勝を決めて笑顔で記念撮影する早稲田大の選手たち。前列中央は相良南海夫監督=東京・国立競技場で2020年1月11日、宮間俊樹撮影

#最後の1年:宿敵念頭にスローガンは「バトル」 コロナ禍でも歩み止めず 連覇狙う早大ラグビー部

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 晴れ渡った5月中旬、早稲田大ラグビー部の拠点、上井草グラウンド(東京都杉並区)は静けさに包まれていた。隣接した寮の軒下で、マスク姿の部員数人が筋力トレーニングに励んでいた。その先の駐車場の隅ではNO8で主将の丸尾崇真(たかまさ、21歳)=文化構想学部4年=が柱にタックルバッグを立て掛けて、黙々と突き刺さるように飛び込んでいた。「チーム練習ができない今は個を極めていくしかない」。新型コロナウイルスの感染対策として互いの距離を空け、会話も控えているため、時折、バーベルが鳴らす金属音だけが響いていた。

 1月の全国大学選手権で連覇を狙った明治大を45―35で破り、王座に返り咲いた。最多を更新する16回目の優勝は、帝京大の9連覇が始まる前の2008年度以来11季ぶりだった。王者になった時にだけ口にできる部歌「荒ぶる」を真新しい国立競技場に響かせた。昨秋のワールドカップ日本大会の熱気が残る中、大学ラグビー界の盟主が主役の座に戻った。勢いづいた直後の予期せぬコロナ禍だった。

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