大阪メトロ減収減益…「交通依存に危機感」

 大阪メトロが29日に発表した2020年3月期連結決算は、売上高が前期比1・1%減の1841億円、最終利益が20・3%減の271億円で減収減益となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、乗客の減少が響いた。

 コロナによる減収は、主に2月からの2か月間で鉄道事業が39億円、バス事業が4億円に上った。両事業の売上高は全体の約9割を占め、影響も大きかった。河井英明社長は同日の記者会見で「交通に依存する事業構造に危機感を覚えている。今の環境を好機ととらえ、事業改革に取り組みたい」と述べ、非交通事業の割合を将来的に4~5割まで高める意向を示した。

 同社はこの日、25年度までの中期経営計画で、今年度中に予定する事業も発表。目的地までの交通手段を最適に組み合わせて提供する「MaaS(マース)」の推進に向け、利用者の需要に合わせて送迎する「オンデマンドバス」の実証実験や、交通利用でたまるポイントサービスを実施する。