市街地にクマ出没相次ぐ…暖冬の影響か、目覚め早く
青森県内の市街地で今月、クマが相次いで出没している。20日は十和田市、26、27日は弘前市や平川市に現れ、県のまとめでは29日現在、八戸市を含む4市で計6件の目撃情報があった。県は暖冬で例年より早く冬眠から目覚めたクマが、餌を求めて市街地に迷い込んだとみている。
十和田市では20日正午過ぎ、市中心部の官庁街通りで、体長1メートルのクマ1頭が目撃された。その後、近くの市立北園小や市役所付近でも相次いで目撃された。けが人はいなかったが、21日朝は十和田署員らが、登校する児童らを見守った。
弘前市や平川市でも26~27日、住宅地でクマが目撃され、市職員らが車で巡回し、注意を呼びかけた。
いずれの市も、新たな目撃情報があれば、再度パトロールを行う方針だ。
県自然保護課によると、県内全体では、5月の目撃情報は29日現在、昨年同期比1件減の25件という。ただ、昨年5月は、人の往来が多い市街地での目撃情報がなかった。
同課は、餌が少ない時期に冬眠から目覚めたクマが、餌を求めて行動範囲が広がり、市街地に迷い込んだ可能性が高いとみている。
県のホームページでは、「ツキノワグマ出没対応マニュアル」が公開されている。同課の担当者は「クマを見つけたら近付いたり騒いだりせず、警察署や各市町村に連絡してほしい」と呼びかけている。