積水ハウス地面師事件、主導役に懲役11年判決「中心的立場で誠に悪質」
大手住宅メーカー「積水ハウス」が架空の土地取引で約55億円をだまし取られた「地面師」事件で、主導役の一人として、詐欺罪などに問われた土井淑雄被告(64)に対し、東京地裁(石田寿一裁判長、古玉正紀裁判長代読)は29日、懲役11年(求刑・懲役15年)の判決を言い渡した。判決は「犯行グループで中心的な立場だったといえ、誠に悪質だ」と指摘した。
判決によると、土井被告は2017年3~6月、カミンスカス操被告(60)らと共謀し、東京都品川区西五反田の廃業した旅館の土地所有者を装って同社に売却を持ちかけ、購入代金を詐取した。
被告側は公判で「地面師詐欺とは知らなかった」などと無罪を主張したが、判決は、被告の指示の下で詐取金の移動や分配などが行われたと認定して、退けた。