モスクワのコロナ死者数「国際基準」なら2倍以上…当局が発表

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 【モスクワ=田村雄】モスクワ市保健当局は28日、新型コロナウイルスによる4月の死者数について、国際的な判定基準に従った場合は、636人ではなく2倍以上の1561人になると発表した。ただ、今後の政府の統計で、国際基準を適用するかどうかは、明らかにしていない。

 感染者数が世界で3番目に多いロシアでは29日の政府発表の死者数が4374人と、欧米諸国などに比べて低い水準で推移してきた。モスクワの死者数は2330人で、露国内の半数以上を占める。

 モスクワ市を含むロシアでは、医師がウイルスを死亡の「根本的な原因」と診断した場合のみ、ウイルスによる死者だと認定してきた。これに対し、世界保健機関(WHO)の国際基準では、感染で持病などが悪化して死亡した場合もウイルスによる死者とみなすという。

 このため、欧米メディアには、ロシア当局による過少申告を疑う見方も出ていた。今回の試算は、過少申告の指摘に配慮した可能性がある。