大学入試日程の延期検討 文科相「余裕持ち準備を」

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大学入試センター試験に臨む受験生(2020年1月、東京都文京区の東京大学)

萩生田光一文部科学相は29日の閣議後の記者会見で、新型コロナウイルスの影響による休校の長期化を受け、「受験生が抱えている不安を解消し、余裕を持って受験準備をしてもらう」と述べ、来年の大学入試日程の繰り下げなどを検討する考えを示した。高校側の意見などを聞き、6月中に日程などを決める方針だ。

萩生田氏は「大学入試の情報を速やかに周知する必要がある」と強調。同省が全国高等学校長協会に対し▽入試日程を全体的に遅らせる▽出題範囲を限定する▽受験機会を増やす――などの必要性についてアンケートを始めたことを明らかにした。感染症の専門家などとも意見交換し、日程や選抜方法を盛り込んだ「大学入学者選抜実施要項」を6月中に公表するという。

政府・与党が2020年度と21年度の導入を見送る方向になった「9月入学」について、萩生田氏は「学校を再開ししっかりと授業や学校行事などを実施できるなら、導入はただちに結論づけない」と述べた。感染拡大の「第2波」が発生し、再び全国的な休校が長引いた場合に学習機会を確保する手段の選択肢として「引き続き検討を続ける」と語った。