九電社長ら6月報酬1割返納へ 料金算定システム障害長期化で

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 九州電力は29日、1月に発生した料金算定システムの障害が完全復旧したとして、原因究明や再発防止策を含めた追加の報告書を経済産業省に提出した。障害に伴う影響は約105万件に上り、完全復旧まで時間を要したことなどから、池辺和弘社長ら幹部4人が6月の報酬を1割自主返納する。

 4月の送配電部門の分社化に伴い、昨年末から料金算定システムの分割にも着手したが、契約者データを移行させる過程で障害が起き、電気料金などが確定できなくなった。今月24日に契約者データの補正を終えるまで復旧作業は約4カ月半に及び、暫定的な金額での料金請求など障害に伴う直接影響は約100万件、事務作業の誤りなど間接影響は約5万件に上った。

 報告書は一連の原因について、システム分割の難易度を見誤ったうえ、契約者データの移行テストを全体の2割にとどめた準備不足などが障害を招いたと分析。代替システムを並行運用しなかったことなどで復旧が遅れたと結論づけた。

 再発防止のため、システム開発などの事業管理や障害発生時の体制を強化する。記者会見した能見和司常務執行役員は「長期間ご迷惑をかけており、経営責任は当然ある。報酬の自主返納で責任を明確化させたい」と話した。【高橋慶浩】