非正規は前年同月比で97万人減に 全体就業者数は80万人減 4月の労働力調査

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 総務省が29日発表した4月の労働力調査によると、パートやアルバイトなど立場の弱い非正規労働者は2019万人で、子育て世代の女性を中心に前年同月比で97万人の減となり、比較可能な2014年1月以降では下落幅は最大だった。全体の就業者数は80万人減の6628万人で7年4カ月ぶりに減少。営業自粛の影響などによる休業者は597万人と過去最多となった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言の影響で雇用情勢の悪化がさらに広がった。

 非正規労働者のうち35~44歳の女性が28万人減と男女年代別で最大の減少幅。就業者数の産業別では宿泊業・飲食サービス業が46万人減、卸売業・小売業が33万人減と影響が大きかった。完全失業率(季節調整値)は前月比0・1ポイント上昇の2・6%と、2カ月連続で悪化。完全失業者数は前年同月比13万人増の189万人で3カ月連続で増えた。

 一方、働いていないが外出自粛などで求職活動もしなかった非労働力人口は前年同月比58万人増の4253万人と、4年11カ月ぶりの増。失業者や非労働力人口の増加は景気に影響するため、事態の長期化で休業者がこうした層に移行するか総務省は注視している。

4月有効求人倍率1.32倍 16年3月以来の低水準

 また、厚生労働省が同日発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は1・32倍で、前月を0・07ポイント下回った。低下は4カ月連続で16年3月の1・31倍以来、4年1カ月ぶりの低水準となった。新規求人数(季節調整値)は、前月比で22・9%減少。1963年1月の統計開始以降、最大の減少幅となった。宿泊業・飲食サービス業や、生活関連サービス業・娯楽業で求人が大きく落ち込んだ。

 厚労省は「求人が大幅に減少し、弱さがみられる。新型コロナの影響にいっそう注意する必要がある」とし、4カ月連続で雇用情勢判断を下方修正した。【矢澤秀範、中川聡子】