大物代理人・ボラス氏「減額合意すべきでない」 選手にMLB案拒否を提言

 米大リーグの大物代理人スコット・ボラス氏が顧客の選手に対し、大リーグ機構(MLB)が選手会に再提示した今季年俸の削減案を拒否するよう提言したと28日、AP通信が報じた。

 再提示案では、当初案の新型コロナウイルスの感染拡大で実施されなかった試合数に比例した減額に加え、高年俸選手ほど削減幅が大きくなる。ボラス氏はメールで「オーナー陣を救うために、さらなる減額で合意すべきではない」と訴えたという。

 MLBと選手会は3月下旬に試合数に比例した年俸で合意後、球場での収入が見込めない無観客のケースで見解が対立。MLBは12日に総収入を球団と選手で折半する案、26日にはこれを修正した今回の案を出した。ボラス氏は「オーナー陣の現状の問題は球団買収や球場の改修などにかかった借入金が原因で、シーズンを開催するためだけなら試合数に比例した年俸を支払うことに支障はない」と指摘した。

 MLBは6月中旬のキャンプ再開、7月上旬の開幕を目指しており、選手会との交渉は6月第1週までの合意が期限とされる。選手会は今季の試合数をMLB案の82から100以上に増やすよう今週中に対案を示すと報じられている。(共同)