端末代の不適切割引で601件の法令違反、総務省がドコモを指導
by 島田 純総務省は、ドコモショップや家電量販店など、NTTドコモの携帯電話を販売する代理店で、電気通信事業法に違反する不適切な端末代金の割引や、その他利益の提供が行われていることを確認し、違反行為が確認された販売代理店70社を指導したほか、通信事業者のドコモに対して販売代理店への指導や必要な措置を徹底するように指導した。
総務省の報告では、代理店70社による違反件数は合計で601件確認されたという。今回確認された主な違反内容として、以下の3つの事例が紹介されている。
同一法人内の「頭金」の差額を考慮していないケース
同一法人が同一機種に対して複数の価格を設定している場合には、その価格差も「利益の提供額」としているが、端末代金に含まれる「頭金」を設定していない店舗と「頭金」を設定している店舗が存在するなど、同一の法人内の店舗で「頭金」の差額を考慮せずに、本体代の割引などの利益を提供したことで、合計の利益提供額が上限額を超えた。
複数主体による割引や利益を考慮していないケース
通信事業者と販売代理店など、複数の主体によって利益の提供が行われる場合には、それらを合計した利益の合計額が上限額を超えてはならないが、通信事業者が実施する「スマホおかえしプログラム」による利益と、「はじめてスマホ購入サポート」や「端末購入割引」による端末代割引など、それぞれの割引施策による利益を考慮せずに、販売代理店の独自施策などで利益を提供したことで、利益の提供額が上限額を超えた。
旧通信方式のみ対応する機種を買い替えするケース
新規受付を終了した、古い通信方式のみに対応する通信機を利用中の契約者が、新たな通信方式に対応する機種を購入する場合、購入する機種の価格以下の割引が提供できるが、旧通信方式以外にも対応する機種を、旧通信方式のみに対応する機種と誤認したり、購入する通信機の価格を超える利益の提供が可能と誤認し、利益の提供額が上限を超えた。
例えば、既に新規受付が終了したFOMAの携帯電話を使っている場合、4G対応機種への機種変更(契約変更)する場合には、通常の2万円を超えて本体代が割引できるが、利用者が既に4G対応機種を使用中にも割引を適用したケースや、本体代金以上の還元を行ったケースが考えられる。
今回、総務省が発表した違反件数が多い代理店の上位3社は、一次代理店では兼松コミュニケーションズが141件、MXモバイリングが121件、TDモバイルが36件。二次代理店ではデュ・ラン社が40件、西菱電機が22件、イリオスネットが19件。計6社で今回の違反件数の6割以上を占めている。