米黒人拘束死、地元の抗議行動が暴動化 知事は非常事態を宣言

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 米中西部ミネソタ州ミネアポリス市で黒人男性が白人警官に首を押さえ付けられ死亡した事案で、人種差別と公権力による暴力に反対する同市での抗議行動は27日夜、参加者が数千人に膨らみ、店舗の破壊や略奪、放火が広がるなど暴動状態となった。28日も抗議デモが続き、ウォルツ州知事は非常事態を宣言、州兵を派遣し沈静化を試みている。

 黒人男性、ジョージ・フロイドさん(46)は25日、ミネアポリスで白人警官に首を押さえ付けられるなどし、その後、死亡が確認された。地元警察は、偽造紙幣が使われたとの通報を受け現場に駆けつけ、フロイドさんを拘束したという。

 抗議行動は26日に始まり、当初は穏やかだったが、一部の参加者が投石するなどして次第に過激化。警察が催涙ガスやゴム弾を発射して対応した。27日夜には大型スーパーや飲食店など多くの店のドアや窓のガラスが割られ、商品が略奪された。放火も相次ぎ、一帯は激しい炎に包まれた。AP通信によると、混乱の中で男性1人が銃撃され死亡した。その後も抗議デモは続き、28日夜には警察署も放火され、炎上した。

 関与した警官4人は解雇され、連邦捜査局(FBI)が捜査を進めている。遺族は殺人罪での訴追を求めており、ミネアポリスのフレイ市長も「首を押さえ付けた警官は罪に問われるべきだ」としている。地元警察の署長は同日、遺族に謝罪した。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、ミネアポリスの黒人は人口の約2割だが、白人に比べ逮捕や強制捜査の件数が多いほか、2019年5月までの約10年間で警察による銃撃被害者の6割以上を占めるという。

 抗議行動は27日に西部カリフォルニア州ロサンゼルスでも過激化したほか、南部テネシー州メンフィスや東部ニューヨーク市でも開かれ、各地に波及しつつある。【ロサンゼルス福永方人】