東芝と信大、“がんにだけ届く”遺伝子治療薬 マウスで効果確認

東芝と信州大学は、がん細胞にだけ取り込まれる遺伝子治療薬の効果をマウスの実験で確認したと発表した。実用化に向けて研究を進める考え。

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 東芝と信州大学は5月29日、がん細胞にだけ取り込まれる遺伝子治療薬の効果をマウスの実験で確認したと発表した。

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がん指向性リポソームの仕組み
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がん指向性リポソームの顕微鏡写真。サイズは100nmほど

 作成したのは「がん指向性リポソーム」という、がん抑制遺伝子を内包した脂質膜のカプセル(リポソーム)。がん抑制遺伝子は信州大学が、リポソームは東芝が設計した。

 脂質の組成を制御することで、がん細胞だけに取り込まれるという。がん細胞に取り込まれるとリポソームが分解され、内部の治療用遺伝子が露出。細胞核に治療用遺伝子が取り込まれると効果が現れ、がん細胞が死ぬという仕組みだ。

 信州大学が、がんを持つマウスにがん指向性リポソームを投与したところ、効果のないリポソームを投与した対照群に比べて有意に腫瘍量が下がったという。この研究結果は米国細胞遺伝子治療学会で13日(現地時間)に発表した。

 2者は今後も実用化に向けて共同研究を進めるとしている。

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信州大学のマウス実験の結果