日経平均終値、5日ぶり下落…米中関係悪化の懸念再燃

 29日の東京株式市場で、日経平均株価(225種)は5営業日ぶりに下落した。終値は、前日比38円42銭安の2万1877円89銭だった。中国の全人代が香港に国家安全法制度を導入する方針を採択し、米中関係が悪化するという懸念が再燃した。

 米国は対中制裁も辞さない構えで、世界経済の回復が遅れるという不安が市場に広がり、下落幅は一時、200円を超えた。日経平均は前日までの4日間で、計1500円超値上がりしており、鉄鋼や海運株などで、当面の利益を確定する売り注文も出た。

 市場では「新型コロナウイルスの影響で、企業業績や経済指標が改善する兆しは見られない。そのなかで、急激な株価上昇を警戒する向きも多い」(大手証券)といった見方が出ている。