朝日新聞、黒川氏と賭けマージャンの社員を停職1か月

 朝日新聞社は29日、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言中に黒川弘務・前東京高検検事長(63)らと賭けマージャンをしたとして、元記者で経営企画室の管理職だった男性社員(50)(現・人事部付)を停職1か月の懲戒処分とした。福島繁・執行役員経営企画室長についても、管理責任を問い、けん責とした。

 発表によると、社員は4、5月、東京都内の産経新聞記者の自宅で、計4回、黒川氏らと賭けマージャンをした。当時、国会などで黒川氏の定年延長や検察庁法改正案が議論されており、同社は「渦中の人物と賭けマージャンをする行為は、報道の独立性や公正性に疑念を抱かせ、極めて不適切だ」としている。

 同社の中村史郎・執行役員編集担当は「読者から『権力との癒着ではないか』といった厳しいご批判を多くいただいています。社員は黒川氏と記者時代に取材先として知り合っており、記者活動の延長線上に起きたことでした。報道倫理が問われる重い問題と受け止めています」などとするコメントを出した。