「くまモンマスク」ほしいモン 知事会見で熱視線 製造企業続々、柄も豊富

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 熊本県の蒲島郁夫知事が、県のPRキャラクター「くまモン」が描かれたマスクを着用して記者会見に臨んだところ、県に対し「どこで買えるのか」といった問い合わせが相次いでいる。残念ながら知事着用のマスクは「非売品」だが、誰でも購入できる市販の「くまモンマスク」も続々登場している。

 知事のマスクが注目されるきっかけとなったのは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「緊急事態宣言」が熊本県を含む39県で解除された14日夜の記者会見だった。白地の布にくまモンとリンゴが描かれたマスク姿の知事の会見の様子が報道された直後から、インターネット上では「くまモンマスクしててほっこりした」「くまモンマスク可愛い」といった投稿が相次ぎ、翌日から県には販売先を問い合わせる電話が次々かかってきた。

知事のマスクはハンドメード品

 知事はその後の会見でもくまモンマスクを着用。20日はマスクをしたくまモンがプリントされたボーダー柄のマスク、26日は笑顔のくまモンがワンポイントで刺しゅうされたマスクと、豊富なバリエーションを披露した。県知事公室によると、これらはすべて知事宛てに届いたハンドメード品で、「コロナ対策頑張って下さい」などのメッセージとともに、県内在住の6人から1日以降計20枚が郵送などで寄せられた。

 変わらぬくまモン人気を受けて、県内外の企業もくまモンマスクの製造に参入している。くまモンのデザインは県に申請すれば商品に使用できるが、3月以降、マスクへの利用目的で18社から申請があった。

 スポーツウエアの刺しゅうやプリント加工などを手がける熊本市北区の「マークス」もその一つ。本業の売り上げが落ち込む中、UV(紫外線)カットや接触冷感機能があるユニホーム素材を使ってくまモンマスク(1枚715円)を製造し、ネット販売したところ評判になった。現在10種類の柄を23種類まで増やす予定だ。

 感染拡大で観光客が激減し大きな影響を受けている観光土産卸売の「村上観光」(同市北区)も、くまモンマスクの販売に乗り出す。縫製やプリントを県内で手がける「メードイン熊本」が同社の売りで、6月から熊本県のアンテナショップ「ひごまるのふるさとショップ」(同市中央区)や、くまモングッズを扱う「くまモンビレッジ」(同、コロナ対策で現在は臨時休業中)などで販売する。

 県は4月、手を洗うくまモンや換気をするくまモンなど感染予防を呼びかける4種類のイラストを新たに発表し、同月22日からこれらのデザインの商業利用も認めた。県の担当者は「経済活動が縮小するなかで生まれたビジネスチャンスを最大限活用してほしい」と話している。【清水晃平】