「慶大病院の手術ミスで脳に障害」と訴えた賠償訴訟、請求棄却…東京地裁

 慶応大病院(東京)で2010年、心臓手術を受けた女児(9)が手術中のミスで脳に障害が残ったとして、女児と両親が病院を運営する学校法人「慶応義塾」に約2億円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(中園浩一郎裁判長、桃崎剛裁判長代読)は29日、請求を棄却する判決を言い渡した。

 判決によると、女児は生後3か月だった同年12月、生まれつき心臓にあった穴を塞ぐ手術を同病院で受けたが、手術後、低酸素脳症を発症。寝たきりの状態となった。原告側は、医師らが手術中に脳内の酸素量を十分に確認しなかったことなどが原因だと主張したが、判決は、複数の鑑定人の意見を基に「発症の原因は不明」と判断。「医師らに責任があったとはいえない」と結論づけた。