愛媛の「大正ロマン館」動画で絵本読み聞かせ 高畠華宵の世界、色鮮やかに

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 愛媛県宇和島市出身の画家、高畠華宵(たかばたけかしょう)(1888~1966年)の画業を伝える「高畠華宵大正ロマン館」(東温市下林)は、華宵が手がけた絵本を読み聞かせ動画にして公開を始めた。子供も大人も自宅で楽しめる。華麗な美人像、モダンガールなど“大正ロマン”を代表する作品群で知られる華宵だが、晩年の絵本でも物語世界をくっきりと色鮮やかに描き切っている。

 新型コロナウイルスの影響で29日まで閉館が続くが「子供たちにとっては名作に出会う機会に、大人にとっても懐かしい物語を思い出すきっかけになれば」と、館のユーチューブ公式チャンネルで紹介している。

 いずれも華宵が昭和20~30年代に描いた「しあわせの王子」「白鳥の王子」「ヘンゼルとグレーテル」などの絵本(講談社刊)で、浜田広介、平塚武二ら、当時の有名な童話作家が文章を受け持っている。動画は東温市在住の俳優・斉藤かおるさんが各12~13分間で読み聞かせており、6本を公開する予定。

 館の高畠麻子・主任学芸員は「どの物語にも人間の心の美しさ、正しさ、学び、成長など、世代を超えて大切にすべきテーマが貫かれています。困難なときにこそ、正しく生きようとする人間のあり方を感じていただければ」と話している。

 問い合わせは館(089・964・7077)。【松倉展人】