【CVS】、自動運転車で薬をコンタクトレス宅配!ラガードにもイノベーションが促進?

by

[画像をブログで見る]

■ドラッグストアチェーンのCVSヘルスは28日、スタートアップ企業のニューロと提携し自動運転車による処方箋などの宅配サービスを開始することを発表した。

CVSは先月も運送大手のUPSと提携して小型無人飛行機のドローンを使った処方薬の配達を開始することを発表したばかり。CVSではドローンや無人車両を利用し空輸と陸送でコンタクトレスの宅配サービスを拡充していく。

サービスは6月から行われる計画で場所はテキサス州ヒューストンのベルエア地区にあるCVS(5430 Bissoneet St. Bellaire TX 77401)。対象者はCVSベルエア店を含む3つのジップコード(郵便番号)の住民となっている。

自動運転車による宅配はCVSのホームページもしくはアプリを介して行い、チェックアウト時の宅配オプションで選択できるようになっている。処方箋以外の宅配も可能で手数料は免除されるという。

CVSによると自動運転車による宅配は注文から1時間以内に届けられる。詳細は明らかにしていないが処方箋の受け取りでは自動運転車でもID(本人)確認をするという。

ニューロによるとトヨタ自動車のプリウスをベースにしたAI自動運転車で宅配サービスを提供したのち、R2と呼ばれる最新型の低速電動車に切り替える。

第2世代となるR2は、無人運転を行う目的で設計されており自動運転システムのみを使った車両。人間のドライバーは乗車しないため高さは1.5メートル(中央にあるライダーまでの高さは1.8メートル)ほどで幅は1.10メートルと小型だ。

従来の乗用車に欠かせなかった、サイドミラーや透明なフロントガラスなどの装備がない。光を用いたリモートセンシング技術であるライダーにレーダー、カメラを装備しており周囲360度の視野をAIドライバーに提供しながら最大速度時速25マイル(時速40キロメートル)で走行する。

ニューロはソフトバンクなどの投資から出資額が10億ドル以上に達しているテキサス州ヒューストンのスタートアップ。

自動運転車のテストでは世界最大の小売チェーンのウォルマートやスーパーマーケットチェーン最大手のクローガーとも提携し、アリゾナ州スコッツデールの他にヒューストンのクローガーからR2を活用した宅配テストを行っている。

なおニューロは先月、新型コロナウイルスの感染者を収容・治療する施設などに対して、R2による医薬品などの配送を開始したことを明らかにした。

R2はカリフォルニア州サクラメントにある、感染者用の収容施設に転用したNBA(バスケットボールリーグ)スタジアム「スリープ・トレイン・アリーナ(Sleep Train Arena)」や、試験施設などに利用されている「サン・マテオ・イベント・センター(San Mateo County Event Center)」で医薬品の配達を行ってコンタクトレス配達の実績を上げている。

 パンデミックでは多くの人の生命や生活を奪っている一方、ロボット宅配などのハイテク活用は現場で加速させているのだ。

トップ画像:CVSから処方箋を宅配する自動運転車のR2。R2は人間のドライバーは乗車しないため高さは1.5メートル(中央にあるライダーまでの高さは1.8メートル)ほどで幅は1.10メートルと小型だ。従来の乗用車に欠かせなかった、サイドミラーや透明なフロントガラスなどの装備がない。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。日本の流通業界とくにスーパーマーケットなどではハイテクの導入が遅れています。しかし、今回の新型コロナウイルス感染拡大にともない、大手流通チェーンの本社などでもリモートワーク体制に移行していると聞きます。店長や課長など店舗管理職に1ヶ月最大5日の在宅勤務を認める「店長の在宅勤務制度」を導入している大手もあります。Zoomなどを利用したリモートワークが拡大しているのです。

パンデミックにより多くの仕事がなくなりましたが、在米流通コンサルタントの後藤にとってはありがたい潮流です。大手スーパー等はこれまで近くに住むコンサルタントに講演をおこなってもらっていました。テレワークが増加し画面越しの会話に慣れてくれば、これまで食わず嫌いだったウェビナー(Webセミナー)と言われるオンライン講演会にも抵抗がなくなります。思考停止でなければ、日本在住のコンサルタントより、在米で流通IT等に詳しいつ専門家にセミナーを依頼します。

 人は未曾有の生活を経験をするとこれまであり得なかったコトにも躊躇なく踏み込みます。パンデミックの置き土産として、レイトマジョリティとラガードにもイノベーション導入が進みます。