画面越し乾杯! 福井の酒蔵、日本酒や地元の食をユーチューブで発信

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 日本酒「白龍」などを製造、販売する吉田酒造(福井県永平寺町北島)は自社製品を通じて福井の食や観光を発信しようと、動画投稿サイト「ユーチューブ」で番組「白龍TV」の生配信を始めた。吉田由香里社長と吉田社長の次女で杜氏(とうじ)の真子さんらが出演。長女の祥子さんがカメラを回した。23日には第1回が放送され、全国から愛好家約110人が視聴し、画面越しに乾杯した。【横見知佳】

 23日の生配信では、日本酒の他に酒かすに福井名産の「すこ」やマシュマロなどを漬け込んだおすすめのおつまみを準備。実際に飲んだり食べたりしながら紹介した。また、新作の日本酒「ドラゴンウォーターシルキー」を加えた4種類の純米吟醸の人気投票が企画された。ドラゴンウォーターシルキーは、焼酎に良く用いられる「白こうじ」を使った酒で、吉田酒造初の試みという。配信では真子さんがこうじ菌の解説をして「酸味が出やすくなる」といった味の特徴を試飲を交えながら話した。

 他にも、きき酒師の資格を持つ漫才コンビ「にほんしゅ」が司会として東京からリモート出演して漫才を披露した。また、吉田酒造の新入社員が酒の名前の由来にもなった「吉峰寺」(同町吉峰)を訪問する動画を流した。配信時間は1時間半で、視聴者はユーチューブのコメント欄で「福井に行きたい」「おいしそう」と感想を投稿しながら楽しんでいた。

 1回目の配信を終えた真子さんは「つまみのことや地域のことも知りたい人が多い。今年の新酒の出来を伝える機会がなかったので良かった」と笑顔だった。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で急きょ4月18日にユーチューブ上で蔵祭りを配信すると好評で「配信を続けてほしい」との声が多く寄せられていたという。吉田社長は「直接会えなくてもつながれることがわかった。白龍を通して福井を発信していきたい」と話し、今後1年間は動画配信を続けることに意欲を見せた。

 次回の配信は6月27日で「雪室」で保存した酒について特集する予定。動画は同社のホームページからアクセスできる。