https://cdn.mainichi.jp/vol1/2020/05/28/20200528k0000m040221000p/6.jpg?1
風除室に設置した発熱外来の診察室を前にする東大阪生協病院の橘田亜由美院長=東大阪市の同病院で2020年5月21日午後8時57分、宮川佐知子撮影

続出する発熱難民、職員への暴言、経営難…病院長が振り返るコロナの現場 大阪

by

 新型コロナウイルスは全国的に緊急事態宣言が解除され、一息ついたかに見える。発熱外来を運用する大阪府内の病院長が取材に応じ、コロナ禍での経験を振り返った。適切な治療やPCR検査(遺伝子検査)にたどり着けない「発熱難民」の続出、医療従事者への心ない対応、そして経営難。第2波に備え、医療崩壊を起こさない体制づくりや支援の必要性を訴えた。

 東大阪生協病院(東大阪市)は、回復期リハビリ病棟がある約100床の小規模病院。発熱やせきなどの症状がある患者を対象に、4月8日から予約制の発熱外来を開設した。正面玄関から離れた出入り口の風除室内に臨時診察室を設置し、屋外のテントを待合場所にした。採血や肺炎を調べるCT(コンピューター断層撮影)検査をした上で、新型コロナ感染の疑いがあればPCR検査のための検体を採取。4月下旬から新型コロナの疑いが強い患者が増え、多い時は1日10人ほど診察していたが、5月中旬以降は減少している。

 新型コロナが疑われる患者には、保健所の「帰国者・接触者相談センター」に連絡するよう伝えていた。しかし、センターに電話しても、なかなか病院にたどり着けないケースが頻発。ある患者は発熱やせき、味覚異常があり、受け入れ病院に診察を依頼したが、予約が取れたのが1週間後だった。橘田(きつだ)亜由美院長は「翌週まで放っておけない。ここでもPCR検査をやろうとなった」と振り返る。結果は陽性。ほかにも「かかりつ…

この記事は有料記事です。

残り922文字(全文1530文字)

いますぐ登録して続きを読む

または

登録済みの方はこちら