北九州で感染拡大 対岸の下関「いつ広がってもおかしくない」 「福岡も第2波来るかも」

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 新型コロナウイルスの感染が北九州市で再び広がっていることに、他の自治体でも警戒が高まっている。

 北九州市と関門海峡を挟んで対岸に位置し、1日約1万人の往来がある山口県下関市。市は隣接市での感染拡大を受け、6月1日に再開予定だった水族館「海響館」などの施設の休館を6月18日まで延長した。

 下関市内で飲食店を経営する前田正子さん(74)は「緊急事態宣言が解除されて18日に店をやっと再開したばかり。北九州から来てくれるお客さんも多く、影響は予想できないが、互いに支え合って乗り越えていくしかない」と語った。会社員の女性(55)は「隣の市で、いつこちらでも感染が広がってもおかしくないので不安」と口にした。

 福岡県内のもう一つの政令指定都市・福岡市。マスク姿の通勤客らが行き交うJR博多駅を通院のため利用していた公務員の女性(55)は「緊急事態宣言が解除されてこれだけ人の行き来が増えたのだから、また感染が広がる可能性があると思っていた。福岡市でも第2波が来るかもしれず、気を緩められない」と話した。【佐藤緑平、山口桂子】