ITやAI活用で柔軟な生産体制に移行を…ものづくり白書

 政府は29日午前、2020年版の「ものづくり基盤技術の振興施策(ものづくり白書)」を閣議決定した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う環境変化に対応するため、ITやAI(人工知能)を活用した柔軟な生産体制への移行を訴えている。

 新型ウイルスの影響により主要産業で部品調達が滞るなど、サプライチェーン(供給網)の弱点が表面化したことから、白書では製造業について「大きな変革が求められている」とした。

 そのうえで、ITやAIを活用すれば、製品の設計まで遡って柔軟に対応できるようになるとし、「不確実性の時代における競争で優位な地位を得ることができる」と提唱した。

 一方、現状では、製造業の多くで、ITが業務効率化やコスト削減などでしか生かされていないと指摘。デジタル技術を柔軟な経営のために活用できる人材の育成が重要だと訴えている。