筋弛緩剤を誤廃棄 50ミリグラム瓶5本 既に焼却か 福島・いわき市医療センター

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 福島県のいわき市医療センターは28日、患者に投与する予定だった筋弛緩(しかん)剤50ミリグラム入りの瓶5本を誤って廃棄したと発表した。看護師が使用済みだと勘違いして25日に捨てたという。15人分の致死量に当たり、同市保健所や県警に連絡したが、既に焼却処分されたとみられる。

 医療センターによると、25日午前0時ごろ、看護師がICU(集中治療室)の患者に人工呼吸器を装着する際に麻酔薬として使用する予定で筋弛緩剤10本を用意。うち5本分を投与し、残りを放置して別の看護師と交代した。その際、適切な引き継ぎを行わず、交代した看護師が使用済みだと思い込んで捨てたらしい。同日午後10時ごろに再び投与しようとした際になくなっているのが発覚した。

 筋弛緩剤は薬事法で鍵をかけて保存するよう定められている。同医療センターは、在庫管理は複数の看護師で行うなど、再発防止に努めるとしている。【柿沼秀行】