「ぬくもり感じて頑張って」帰省自粛の学生へ米とみそ汁セット提供 会津若松の米問屋

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 福島県会津若松市の米問屋「本田屋本店」などは28日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で帰省を自粛している学生向けに会津産品などの無償提供を始めた。

 対象は5月1日時点で会津大(会津若松市)に在籍中の学生と、会津地方17市町村に実家がある学生。米や、漬物のいか大根、フリーズドライのみそ汁などがセットになっている。本田屋本店のホームページなどで受け付けており、申し込みは6月30日まで。

 同社の本田勝之助社長(45)が感染症の影響でアルバイトがなくなったり仕送りが減ったりし、経済的に苦しい学生がいることを知り、支援できないかと考えた。協力企業を募集したところ、会津地方以外も含め商品提供をする会社は5社に増えた。当初は300セット限定だったが、学生から「このお米を食べて自粛生活を頑張ります」「コロナが落ち着いたら早く家族に会いに帰省したい」といった声を聞き、750セットに増やした。本田社長は「こんな時だからこそ会津のぬくもりを感じて頑張ってほしい。ふるさとを思い、ふるさとの力を知っていただければ幸い」としている。

 28日に本田屋本店で受け取った会津大3年の多田旭志(てるし)さん(20)は埼玉県川越市出身で「帰省をやめた。生活も苦しいのでうれしい」、同2年の半谷絢生(じゅんせい)さん(19)も「アルバイトが減って収入も減っているのでありがたい」と話していた。【三浦研吾】