トト・ヴォルフ、メルセデスF1のチーム代表を辞任との報道
トト・ヴォルフが、メルセデスF1のチーム代表をまもなく辞任するとドイツのメディアが報道。だが、チームのオーナーシップは今後もトト・ヴォルフが維持することになると報じられている。
Auto Bild と F1 Insider は、現在、2020年シーズン以降のメルセデスF1チームの将来がダイムラーの密室で議論されていると報道。記事によると、7月にオーストリアで2020年のF1シーズンがスタートする前にトト・ヴォルフが、メルセデスF1のチーム代表を辞任するという。だが、彼の後継者が誰になるかについての触れられていない。
トト・ヴォルフは、メルセデスF1チームの30%の株式を保有しており、残りの70%はダイムラーが保有している。
進行中のひとつのシナリオとして、アストンマーティンがダイムラーが保有するメルセデスF1チームの株式を買収する可能性が報じられている。アストンマーティンは、会長であり、レーシングポイントF1チームのオーナーであるローレンス・ストロールが25%の株式を保有しており、トト・ヴォルフもアストンマーティンの少額の株式を保有している。
だが、この買収はアストンマーティンの株式の支払いに依存するため、ダイムラーは保有しているアストンマーティン・ラコンダの株式保有率を増やすとされている。最終的にこのスキームにより、ローレンス・ストロールとトト・ヴォルフがメルセデスF1チームの過半数の所有者として残ることになる。
今週初め、アストンマーティンは、ダイムラーのCEOであるオラ・ケレニウスの側近であり、メルセデスAMGの会長兼株主であるトビアス・ムアースを新たなCEOとして迎えることを発表した。
トビアス・ムアースの任命は、現在ダイムラーによって展開されているメルセデスのF1撤退を含む行動方針の最初の一部だった可能性がある。
メルセデスは、2021年以降もウィリアムズ、レーシングポイント、マクラーレンとエンジン供給契約を結んでおり、少なくともエンジンサプライヤーとしてF1に残ると考えられている。
言うまでもなく、メルセデスF1チームを取り巻くそれらの動きは、F1におけるルイス・ハミルトンの将来に疑問を投げかける。6回のF1ワールドチャンピオンはまだ2021年以降にメルセデスにコミットしておらず、彼の計画はトト・ヴォルフの去就と関連付けられて報じられることが多い。
また、先週、バルテリ・ボッタスが2021年の移籍についてルノー、レッドブル・ホンダとの交渉を開始したとの報道がなされた。ボッタスはF1への関与を完全に刷新するというメルセデスの計画についてすでに伝えられているとも推測されている。
アストンマーティンが、メルセデスF1チームを買収した場合、2021年にアストンマーティンのワークスチームとなる予定のレーシング・ポイントF1チームの将来についても疑わしい状況になってくる。シルバーストーンを拠点とするチームは、ローレンス・ストロールの投資家コンソーシアムの手に残るのか? もしくはチームは売却されることになるのか?
2018年にフォース・インディアの買収に失敗したロシアの大富豪ドミトリー・マゼピンは、レーシング・ポイントF1チームの潜在的なバイヤーとして再び浮上するかもしれない。今週、マゼピンの名前は同じく撤退が噂されているルノーF1チームの買収に関心を持っている人物として報じられている。
新型コロナウイルスの世界的大流行と、それに続く、世界的、特に自動車産業を席巻する景気後退により、企業は財政的な影響を軽減するために緊急計画を立てることに奮闘している。
ドイツのメディアの憶測は実際よりも早くに実現するかもしれない。
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