ヤクルト・五十嵐41歳誕生日“不安”と“挑戦” 決意支える同級生2人
ヤクルトの五十嵐亮太投手が41歳の誕生日を28日に迎え、決意を新たにした。プロ23年目。キーワードは「不安」と「挑戦」だ。日米通算1000試合登板まで残り95試合。同級生・石川の存在を刺激に、さらなる高みへと挑む。
1979年5月28日。同じ年、同じ日に生を受けた二人が、今もなおプロ野球界で切磋琢磨(せっさたくま)している。ヤクルトの五十嵐亮太と、阪神の能見篤史だ。五十嵐は言う。「今年でプロ入り23年目になりますが、こうして野球ができていることに感謝しかありません」。抱き続けた不安と飽くなき挑戦が、これまでの道を切り開いてきた。
暖かい日差しが降り注ぐ本拠地で、客席から静かにグラウンドを見つめた。優しい笑顔と目尻にできたシワ。41歳になった。右腕は「年を重ね、衰えは否めません」と切り出すと、「挑戦し続ける気持ちが心を若くしてくれると信じ、これからも取り組んでいきたい」と言葉を紡いだ。
昨季、10年ぶりとなる古巣復帰を果たした。度重なるケガを乗り越えて、今も「愛着ある53番」に袖を通す。23日にはニッポン放送の「ショウアップナイタースペシャル」に電話出演し、長く現役生活を続けられる理由をこう自己分析した。
「体力が落ちたところを技術でカバーできるように。長くやる秘訣は、今でも自信がないところですかね。常に不安。自分に自信がないのがいいのかなと思います」
そしてもう一人の同級生、石川の存在もあった。五十嵐は石川のことを「やらなかったことを積極的に、恐れずにやる選手」と言う。不安を取り除き、さらに成長するための挑戦。「まねしたり、相談したり。彼から伝えられることが多いですね」。自主練習期間中に新球習得に励むなど、前を見続ける同級生左腕の背中は、いつだって五十嵐を強くしてくれた。
日米通算1000試合登板まで、残り95試合。その先には元中日・岩瀬仁紀氏のプロ野球記録1002試合を見据える。「順調にいって2年ですね。目指して頑張ります」。目標は飽くなき挑戦の先に輝く。同級生三人衆が描く今季は、どんな色に染まるのだろうか。戦いはもうすぐ始まる。