県議選の争点をまとめました ②コロナ対策、子どもの貧困、経済・雇用

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 第13回県議会議員選挙は29日に告示され、6月7日の投開票に向けた選挙戦に突入する。与野党構成が最大の焦点で、与党は過半数維持を掲げ、野党や中立勢力は与野党逆転を狙う。新型コロナウイルス感染症で県経済が落ち込む中、経済や県民生活をどう立て直すかが問われる。名護市辺野古の新基地建設の是非や復帰50年を見据えた振興の在り方なども主要争点だ。選挙の結果は玉城デニー知事の県政運営を左右し、2年後の県知事選にも大きな影響を与える。コロナ禍の中、攻防が繰り広げられる9日間の選挙戦を前に、争点を整理する。

<コロナ対策>世帯・企業支援訴える/「消費税減税」43%が要望

 新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、経済の立て直しや雇用対策に向けた政策に関心が高まっている。多くの立候補予定者や各政党が、企業や世帯向けの支援策や給付金など新型コロナ関連の政策を打ち出すなど、県議選でも主要な争点となっている。  日本銀行那覇支店の県内金融経済概況(4月15日発表)によると、県内景気はリーマン・ショックの影響を受けた2009年12月以来、10年4カ月ぶりに基調判断を引き下げた。また、4月の入域観光客数は前年同月比約90%減少し、外国客は復帰後初めてゼロとなった。

 本紙が立候補予定者64人に実施した政策アンケートでは、新型コロナを巡る経済対策の一つとして与野党に関係なく、消費税の減税を求める声が上がっている。  消費税減税について28人(43・7%)の立候補予定者が「一時的な引き下げ」や「恒久的な引き下げ」を選び、減税を求めた。「現行でいい」と回答したのは20人だった。「廃止」を求める立候補予定者も多く、16人と全体の4分の1を占めた。

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<子どもの貧困対策>県の施策「評価」53%/野党は評価しない傾向

 沖縄では「子どもの貧困」が深刻な課題として指摘されている。2015年度に県が実施した「子どもの貧困実態調査」によると、沖縄の子どもの貧困率は29・9%となっており、およそ3人に1人が貧困状態となっている。玉城デニー知事は2020年度の県政運営方針に、子どもの貧困対策は「最重要施策」と表明している。  今回の県議選では、全立候補予定者64人中、玉城知事の子どもの貧困対策について「評価する」としたのは34人で、過半数(53・1%)が支持している。一方、「評価しない」が26人(40・6%)、「分からない」は4人(6・3%)だった。与党が評価し、野党が評価しない傾向があったが、評価しない人の中には「施策の種類で評価できるところと、できないところがある」とする人もおり、各立候補予定者が重要な課題と認識している様子がうかがえた。  子どもの貧困対策では長期的な視野での解決策が必要とされ、今後、県議会で活発な議論が求められる。

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<経済・雇用>県経済回復へ独自策/現金や助成金給付掲げる

 琉球新報のアンケート調査で、立候補を予定する64人に「最も訴えたいこと」を聞いたところ、経済対策関連を記述した人が14人に上っている。新型コロナウイルス感染症の影響で県経済が冷え込む中、暮らしの立て直しや県経済の回復に向けて、各立候補予定者は独自政策を打ち出して支持拡大を目指す。

 感染症に関する経済、雇用対策で必要な政策(複数回答可)を質問したところ、64人中56人が「現金の一律給付」を選んだ。また「収入が大幅に減少した世帯や企業に特化した助成金制度の活用」を選択した人も54人に上った。国の責任による迅速な経済対策を求める声が上がる。

 業績が悪化し、労働者を休ませた企業に支給する「雇用調整助成金」の拡充を求める立候補予定者も51人いる。好景気で人手不足感があった昨年から一転し、観光業を中心に業績悪化が続いている。雇用をいかに守るかを重点的に訴える立候補予定者も多い。