【深まる米中対立】

by

中国の全人代は香港に国家安全法を導入する方針を採択しました。

アメリカと中国の間では、▼テクノロジーをめぐる覇権争い、▼新型コロナウイルスの感染抑止と情報発信、▼貿易摩擦などもともと対立する案件がいくもありましたが、さらに増えました。

個人的には中国ファーウェイの孟晩舟副会長@カナダのアメリカへの身柄引き渡しの裁判の行方に中国しています。

[画像をブログで見る]

WSJはU.S. Officially Declares That Hong Kong Is No Longer Autonomous(米国、香港は高度の自治ではない)の中で、米国務省が27日、中国が香港への統制強化に向けた新法の制定を目指していることを受けて、「もはや香港が『高度な自治』を維持できるとは誰も思わない」とした声明を出したと報じています。

これを受けてトランプ大統領は、香港に経済的な特別扱いを認めてきた優遇措置を無効にしたり、経済制裁を科したりできるということです。

2019年11月に成立した香港人権・民主主義法では、アメリカ政府は1国2制度に基づいて香港の高度な自治が維持されているかを議会に報告する義務があり、27日に報告が行われたとしています。

今回の動きは、新型コロナウイルス感染拡大、テクノロジー、さらにグローバルな影響力をめぐり米中の対立が深まる中での決定だと指摘しています。

CNNは、香港が特別扱いを受けられなくなれば、香港経済に大打撃になると伝えています。香港にあるアメリカの総領事館は香港にアメリカ企業1200社が活動しているとしていて、

USTRによると香港はアメリカにとって21番組の貿易相手です。専門家は「金融センターとしての香港には痛手だ。資金は安全を求めて逃避するだろう」と話しているそうです。

Washington Postはトランプ政権が中国に対して経済制裁を科してもこれまでは香港を例外扱いとし、香港からアメリカに輸出される製品のうち90%はもともと中国本土由来だとしています。

FTは、Huawei CFO loses bid to dismiss US extradition request(ファーウェイ副会長、法廷闘争で敗れる)の中で、カナダの裁判所はカナダで勾留中でアメリカが身柄の引き渡しを求めている中国の通信機器大手フォーウェイの孟晩舟副会長について、「カナダでは犯罪にあたらない」とする孟氏側の主張を退けたと報じています。

孟氏はフォーウェイの創業者の娘で、2018年12月、バンクーバー国際空港で米司法省の要請を受けたカナダ当局に身柄を拘束され、米司法省が制裁下のイランとの違法な金融取引について金融機関に虚偽の説明をしたとして詐欺などの罪で起訴し、身柄の引き渡しを求めていたということです。

孟氏の弁護団は、アメリカで起訴された内容がカナダでも罪にあたるかどうかという「双罰性」がないと主張し、認められれば保釈中の孟氏が釈放される可能性もありましたが、判事は「双罰性は有効だ」と判断

孟氏は、審理の場にはいませんでしたが、その後、バンクーバーの別の裁判所に姿を現し、今後の手続きを協議し、6月3日に審理を行うことで合意したということです。