休校中の子供のために、スマートスピーカーで学校を再現した。のだけれど……
by 株式会社インプレス緊急事態宣言が出たことにより、この4月から新1年生として入学予定だった子供が学校に通うことができず、長い春休みのような状況が続いてきた。唐突に勉強の機会が失われただけでなく、初めての学校生活で得られるはずだったさまざまな経験をも奪われたかっこうで、不安は多い。
筆者も妻も毎日在宅勤務している現在、子供の世話だけでなく勉強の面倒まで見るのは正直言って不可能に近い。しかし、本来学校に通っていれば学んでいたはずのことを今のうちに勉強しておかないと、いざ学校が再開したときに授業についていけないのではないか、という心配もある。行政や学校からは休校中に活用すべき学習ツールなどの案内があったので、それを少しでも子供にこなしてもらうしかないのだが、当然ながら勉強する習慣なんかないもので、グダグダになってしまう。
そこで、まずは学校の“時間割”に慣れてもらうことを目的に、自宅で学校を再現してみることを考えた。といっても大げさなものではなく、スマートスピーカーで一定時間ごとに学校のチャイムみたいな音を鳴らし、勉強する時間とそうでない時間をきちんと作る、というだけのこと。ちょっとでも学校っぽい雰囲気が生まれれば、テレビやゲームばかりの勝手気ままな生活習慣も改善されるのでは、とも思った。
学校のチャイムを再生するのは、我が家のダイニングに置いてあるGoogle Home。Google Homeアプリの「ルーティン」機能を使い、平日の月曜日から金曜日、特定の時刻になったら、Google Homeで連携しているGoogle Play Musicでチャイム音を再生する、という設定を行なう。
ただ、筆者が小学生の頃に聞いていたそれっぽいチャイムがGoogle Play Musicの定額音楽配信サービス内では見つからなかったので、「学校のチャイム」でWeb検索してフリー音源を見つけ、それをPCでGoogle Play Musicにアップロードし、再生するようにした。
実際の学校では、最初のチャイムは朝の8時20分頃に鳴っているかもしれないが、とりあえずキリのいい9時ちょうどから始め、45分授業を想定した毎時45分と正時に鳴るようにした。Google Homeでは、1つのルーティンで一定時間ごとに繰り返し実行するような設定ができないので、鳴らしたいタイミングごとに1つ1つ設定していく必要がある点に注意しよう。
こうして毎日決まった時刻になると学校のチャイムが鳴り響くようになった我が家。「おっ、勉強の時間だな!」ということがわかって、子供も大人も授業モードに入ったり、あるいは休憩モードに入ったりする習慣がなんとなくついたように思う。のだが、まあ、7歳の子供の集中力というのは長く続かないもので、45分授業だとちょっと長い。30分くらいがギリギリ耐えられるところかもしれない。
で、5月に入ってすっかり学校のチャイムに慣れてきたところで、Google Play Musicが2020年内に終了し、YouTube Musicに移行する、との報道。まだスマートフォンのGoogle Play Musicアプリは問題なく使えるし、Google Homeから学校のチャイムも流れるのだが、将来を見越してYouTube Musicと連携させてみようとしたところ、つまづいた。
やはり、それっぽい学校のチャイムがYouTube Music上にないのでフリー音源をアップロードするしかないのだが、ライブラリやプレイリストに登録していてもうまく再生できない。いろいろ設定を変えて、再生できたとしてもなぜか直後にGoogle Homeから「お役に立てそうにありません」などというメッセージが流れ、雰囲気は台なしである。
移行期間のためにGoogle HomeアプリやYouTube Musicの対応がまだ不十分だったりするのかもしれないが、半強制的にサービスが移行するのであれば、これまでと同じように使えるようにしてほしいものだ。サービスの移行が完了する頃には、学校も完全に再開されていて、自宅のチャイムは不要になっていると思いたいのだけれど……。