夏ボーナス9.4%減予想/民間企業 リーマン直後の水準

 静岡経済研究所が27日に発表した県内民間企業の2020年夏のボーナス予想は、1人当たりの支給額が前年の推計額比9・4%減の34万3200円で、リーマン・ショック直後の水準になるとした。新型コロナウイルスの感染拡大による景気の冷え込みが影響するとみている。

 規模別にみると、従業員30人以上の企業は9・2%減の40万4900円になると予想した。県内経済が大きく悪化していたリーマン・ショック後の09年夏実績は、40万503円だった。従業員29人以下の企業は、10・0%減の23万6500円とした。

 予想は、有効求人倍率や労働生産性指数などボーナスの支給額と関係が深いとされる各種の数値から導き出した。いずれも3月までの統計を基にしており、新型コロナウイルスの感染拡大が企業活動に本格的に影響し始めた4月以降の状況は反映されていない。

 有効求人倍率(季節調整値)は3月時点で1・22倍と、昨年12月から0・25ポイントも減少した。足元の雇用状況はさらに悪いとみられる。これらのことから、静岡経済研究所の担当者は、「感染の完全収束が見通せない中、経営者の不安が膨らめば、支給額の実績は予想よりも下振れする可能性がある」とした。