資金繰り支援、官民で94兆円超 2次補正予算案決定

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政府・与党政策懇談会であいさつする安倍首相(27日午前、首相官邸)

政府は27日夕の臨時閣議で2020年度第2次補正予算案を決定した。一般会計からの追加歳出は31兆9114億円で、補正予算では過去最大となる。事業規模は117兆1千億円程度を見込んでおり、このうち民間金融機関などと組む企業の資金繰り支援が94兆円に上る。4月の第1次補正に続く対応で、新型コロナウイルスの影響が長期化する事態に備える。

一般会計や特別会計の歳出など「真水」と呼ばれる国費は約33兆2000億円、政府系金融機関による投融資は39兆3千億円程度に上る。これらに地方自治体の支出を含めた財政支出は約72兆7千億円となった。

新型コロナで打撃を受けた企業の資金繰り支援を拡大する。事業規模は財政支出に加え、政府と協力する民間融資なども含むため膨れ上がった。

政府系や民間の金融機関を通じた実質無利子・無担保融資は60兆円超とする。企業を資本支援する劣後ローンや出資枠などで約12兆円、金融機関に公的資金を注入できる枠を15兆円準備する。

こうした企業の資金繰り支援の強化は一般会計の歳出ベースでみると11兆6390億円となる。

一般会計の歳出では大幅減収のテナントに最大600万円を支給する「家賃支援給付金」の創設に2兆242億円を計上した。休業手当を支援する雇用調整助成金の上限を1人あたり日額1万5千円に引き上げる。従業員が企業を介さずに申請・受給できる給付金制度も設ける。

新型コロナの第2波などに備えた医療体制の強化に2兆9892億円を計上した。医療従事者への慰労金や医療機関へのマスク配布、ワクチン・治療薬の開発に充てる。自治体が新型コロナ対策に使える臨時交付金は2兆円増額する。政府が機動的に支出できる予備費を10兆円積み増す。

一般会計の追加歳出は全て国債を財源に充てる。赤字国債を22兆6124億円発行する。2度の補正を加えた後の20年度予算は歳出総額の56%を借金で賄う計画になる。2次補正予算案は6月8日に国会に提出し、17日までの今国会での成立をめざす。

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