デンマーク、国境またぐ恋人同士の再会容認 6カ月以上の「交際証明」提示で
(CNN) 新型コロナウイルスの対策として各地で都市の封鎖や人との距離を保つための規制が行われる中、愛する人同士が離れ離れになる状況が世界中で起きている。北欧のデンマークはこのほど、こうした措置の緩和に動き、国境をまたぐパートナー同士の再会を認める意向を明らかにした。ただし、交際が6カ月以上続いていることを当局者に証明する条件付きだ。
デンマーク政府は25日、新型コロナ対策の規制を緩和し、隣国に婚約者やパートナーがいる国民については相手側を入国させたうえで再会することを認める方針を示した。警察と司法当局者がCNNに明らかにした。
国境管理の緩和は、デンマークと国境を接するドイツ、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドの永住者のみに適用される。デンマーク国内のパートナーとは定期的に会う関係にあることが条件で、6カ月以上交際している必要がある。
この緩和措置は、計画段階で物議を醸していた。交際期間を警察に申告しなくてはならないという点で、プライバシーの侵害に当たるのではないかという懸念が浮上したためだ。
デンマーク警察によると、当初は両者の間で交わした手紙や写真などが交際期間の証明になるとしていた。ただプライバシーの観点からの懸念を受け、当局は内容を変更。交際期間の申告書への署名のみで入国を認めることになった。
とはいえ状況によっては警察が制限を追加する場合もあり得ると、デンマークの司法相は説明。「仮に50万人のドイツ人がパートナーを名乗っていきなりデンマークにやってきたら、規定を悪用している人間が含まれているのではないかと疑わざるを得ないだろう」と述べた。
国境管理の緩和は、デンマークに住む祖父母に会いに来たり、国内の別荘を訪れたりする人たちも適用対象となる。
警察のウェブサイトによれば、適用が妥当とみられる上記のような目的以外の旅行者はデンマークへの入国を拒否される。
デンマークは感染拡大を防ぐため、3月13日以降自国民以外に対して国境を封鎖しているが、現在は「制御しながらの再開」を段階的に進めている。