巨大ITの取引透明化、新法が成立…企業名公表や公取委の摘発も

 巨大IT企業に取引の透明化を促す新しい法律が27日、参院本会議で可決、成立した。インターネット通販の出店業者ら取引先へ利用条件や規約などをわかりやすく開示させるほか、政府に対して取引状況を年1回報告させるよう義務づける。来春までに施行する。

 成立したのは「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」。限られた事業者が影響力を持っているネット通販やスマートフォンアプリの提供サイトで、公正な取引を確保する狙いがある。

 規制対象となるのは当面、海外勢では米国のグーグルやアップル、アマゾン・ドット・コム、国内では楽天やヤフーとみられる。取り組みが不十分な場合には、企業名を公表して是正を促し、悪質な場合は、独占禁止法違反の恐れがあるとして、公正取引委員会が摘発する。

 政府は3年をめどに対象分野などを見直す方針。公取委の菅久修一事務総長は27日の記者会見で「違反行為の未然防止として非常に意義がある」と述べた。