9月入学「来年導入は困難」…政府・与党内で先送り強まる
政府・与党内で、9月入学・始業の来年導入は困難との見方が27日、強まった。自民党のワーキングチーム(WT、座長=柴山昌彦政調会長代理)でこの日、来年までの導入見送りを求める座長案が示された。政府は夏までに導入の可否を判断する方向だ。
党WTの役員会では、今年や来年の9月入学導入を見送ると明記した座長案が示された。ただ、今後も議論を続けるべきだとする意見が相次ぎ、了承は見合わせた。柴山氏は会合後、「(新型コロナウイルス対応のために)9月入学を導入することはうまくないというのが大半の議員の認識だった」と述べ、来年までの導入は難しいとの考えをにじませた。柴山氏は6月初めまでに政府に提言を示す考えだ。
公明党も27日、9月入学の是非を検討するプロジェクトチーム(PT)の会合を開き、学習遅れの対策としては9月入学を導入しないとの前提で論議した。
こうした動きを踏まえ、政府内には「与党が反対しているものを来年からやるのは難しい。現段階では9月入学を直ちに行う環境にはない」(高官)との声が出ている。ただ、「コロナ流行の第2波で長期休校が続けば9月入学を導入しうる」(高官)ため、導入見送りとなっても議論は続ける。政府の教育再生実行会議などに議論を委ねる案もある。