今も癒えない悲しみ 遺族らの思い 京アニ放火・容疑者逮捕
by 会員限定有料記事 毎日新聞京都アニメーションの放火殺人事件から10カ月あまり。京都府警が27日、やけどの治療で入院していた青葉真司容疑者(42)=さいたま市見沼区=を逮捕した。アニメに人生を懸けた36人の命は、なぜ奪われたのか。怒り、悲しみ、いら立ち……。遺族はさまざまな思いを抱えながら、この日を迎えた。
「やっと逮捕された」。高い描画力を誇る京都アニメーションで、作品の色づかいや仕上がりを決める「色彩設計」を担った石田奈央美さん(当時49歳)の母(79)は、京都市伏見区の自宅で報道各社の代表取材に、そう口にした。
「小説を盗まれたから火を付けた」という青葉容疑者の供述をテレビや新聞で見聞きし、釈然としないまま過ごしてきた。どうしても、それが36人もの命を奪った動機とは思えない。「小説を盗んだからとか、どういうことで言うてるのか。本当のことを言うてほしい。なんでこんなに、ようけようけ(社員を)殺さないかんのか……」
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