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清原(左)に身振り手振りで指導する土井氏【拡大】

【本紙専属評論家ここだけの話】土井正博氏、新人・清原育成へ根本氏から金言「自分の18歳の時と比べてみろ」

 本紙専属評論家がユニホーム時代の秘話を明かす「ここだけの話」。第3回は現役時代通算465本塁打を放ち、西武、中日で数々の好打者、強打者を育てた土井正博氏(76)。指導者の原点は恩師・根本陸夫さんであり、“一番弟子”清原和博だった。

 私の人生は、根本さんなしには語れません。引退するときも根本さん(当時監督)の勧告。解説者になったのも、西武2軍コーチに復帰したのも、根本さん(当時管理部長)の指示でした。そして1985年、大久保博元、田辺徳雄ら将来有望なルーキーたちを指導して過ごしたオフ、またまた「根本指令」が来たのです。

 「お前に任せたい選手が入ってくるから、来年から1軍コーチをやれ」

 2軍での指導者1年目が楽しかったから、断りたかったけれど、強引に1軍へ。そこに待っていたのが清原和博でした。

 初めての1軍指導。ゴールデンルーキーには新人王を取らせなくてはいけない。正直、焦る気持ちがありました。

 ところが、清原は憧れの巨人にドラフトで裏切られ、いつまで経っても練習に身が入らない。抜け殻みたい。オープン戦に入ってもチンタラやっている。しかも相手は「噂の清原を抑えてやる」と必死で投げてくるから、結果も出ない。バットを折られまくり「俺はアカンのかな」と言い出す始末。当然、森祇晶監督はベテランとの併用を考えていました。

 それじゃあ、任された意味がない…。

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