総額31兆円 2次補正予算案を閣議決定 コロナ感染拡大で経済対策

by

 政府は27日、新型コロナウイルス感染拡大を受けた追加経済対策の裏付けとなる2020年度第2次補正予算案を閣議決定した。一般会計の歳出総額は31兆9114億円で、1次補正予算(25・6兆円)を上回る。民間支出を合わせた事業規模は117・1兆円で、1次補正と合わせると233兆円に上り、過去に例のない規模となる。政府は6月8日、2次補正予算案を国会に提出し、12日までの成立を目指す。

 必要な財源は全額、国の借金である国債の追加発行でまかなう。赤字国債を22兆6124億円、建設国債を9兆2990億円発行する。

 感染収束が見通せないなか、新型コロナ感染症に対する医療体制を拡充する。患者に接する医療従事者への最大20万円の慰労金のほか、都道府県向けの「新型コロナ緊急包括支援交付金」(2・2兆円)、ワクチンや治療薬の開発などの支援策(2055億円)を盛り込んだ。

 緊急事態宣言による外出自粛で売り上げが急減した飲食店などへの支援策として、中小・零細事業者を対象に家賃の3分の2を国が負担する制度を創設し、1事業者当たり最大600万円を給付する。企業の休業手当支払いを支援する雇用調整助成金は日額上限を8330円から1万5000円に引き上げる。また、企業の財務基盤強化や無利子・無担保の融資制度などに計11兆6390億円を計上した。

 家計に向けては、児童扶養手当を受給する低所得のひとり親世帯に5万円を支給。第2子以降は3万円を加算する。このほか、教員や学習指導員の追加配置(318億円)、学校再開に伴う感染症対策などに421億円を盛り込むなど、休校で影響が出ている教育分野にも力を入れる。

 都道府県が休業要請に応じた事業者への「協力金」などに活用している地方創生臨時交付金は、地方からの強い要望を受け、2兆円増額する。また、影響長期化に備え、機動的に使える感染症対策の予備費を10兆円積み増す。【村尾哲、佐野格】