結婚、職場、学校生活…困ったときの「おとめ六法」 犯罪被害者支援弁護士が出版

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 「『援交している』などうわさがネット上に書き込まれた」「専業主婦ですぐに十分な収入が見込めない。別居中は夫に生活費を頼めるか」。結婚や職場、学校生活などでのトラブルの対処法を紹介した「おとめ六法」を犯罪被害者支援弁護士が出版する。トラブルに見舞われた際「自分が悪い」などと自らを責めず、手にしてほしい「女性の一生に寄り添う法律集」としている。

 犯罪被害者の支援をする上谷さくら弁護士(第一東京弁護士会)と岸本学弁護士(同)が弁護・相談活動での経験を基に執筆した。浮気や妊娠などの「恋愛」▽進路やいじめなどの「学校」▽事実婚や離婚、親権といった「結婚」――などのトラブルごとに全6章で構成する。具体的な事例を挙げて、男女雇用機会均等法やストーカー規制法など、関連する法律を分かりやすく解説。証拠の集め方や相談の手続きも紹介している。

 これまで女性から相談を受けた際、既に時効だったり、本人が犯罪被害と知らずに悩んでいたりするケースが少なくなかった。「泣き寝入りしないでよいことが世の中にたくさんあることを知ってもらいたい」との願いから出版に至った。

 上谷弁護士は「トラブルに対する選択肢を増やし、自分の納得いく解決をしてほしい。何もしない場合でも法律や制度を知らないでそのままにするのと、訴える手立てを知った上で判断するのは違う。自分で対応を決めることが、次に進むための重要な要素になる」と話している。

 28日にKADOKAWAから出版する。A5判208ページ、税込み1540円。【菅野蘭】