「いつも思い出しています」在日ミャンマー人、川崎児童殺傷犠牲の小山さん追悼

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 川崎市多摩区で私立カリタス小学校の児童ら20人が殺傷された事件から1年が経過することを受け、事件で犠牲となった外務省職員で、ミャンマー語の専門家の小山智史さん(当時39歳)を慕う日本在住のミャンマー人10人が27日、外務省に哀悼のメッセージを花束と共に届けた。同省は近く遺族に渡す。

 長崎県佐世保市の会社員、ヤン・ナイン・ウィンさん(33)によると、兵庫県、福岡県などに住む10人は2015年、関西でミャンマー文化を紹介するイベントを通じて小山さんと知り合ったという。追悼メッセージでは、ミャンマー語や日本語などで「ミャンマーとミャンマー人のため一生懸命働いてくれた小山さんのため、私たちミャンマー人は祈っています」「亡くなって1年、いつも思い出しています」などと思いをつづった。外務省の担当者は「思いを届けてくれ、ありがたい」と応じ、遺族らに伝える意向を示した。

 小山さんは04年に外務省に入省。在ミャンマー日本大使館に3年勤務し、現国家顧問兼外相のアウンサンスーチー氏の来日時はプライベートの買い物に同行するなど信頼を得た。19年5月28日、当時51歳の男(現場で自殺)がスクールバスを待っていた小学校の児童らを包丁で切りつけた事件で亡くなった。【加藤明子】