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全国民への一律10万円の現金給付など新型コロナウイルス感染症対策を盛り込んだ2020年度補正予算が賛成多数で可決、成立した参院本会議=国会内で2020年4月30日午後7時11分、竹内幹撮影

感染・医療対策上回る「経済回復」 “乏しい危機感”“額ありき”で歪む補正予算

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 「新型コロナウイルス緊急経済対策」と銘打ち26兆円近くも投じながら、新型コロナとの関係性や緊急性があいまいな事業が目立つ補正予算。なぜ国民のニーズと離れた「緊急対策」が生まれるのか。3回目となる今回は、専門家とともにその背景を考える。【木許はるみ/統合デジタル取材センター】

 2020年度補正予算全体に目を転じると、25兆6914億円の総額のうち、国民一律10万円の給付に必要な経費を含む「雇用の維持と事業の継続」が19兆4905億円で、約5分の4を占める。残りの柱のうち、「感染拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発」が1兆8097億円、「次の段階に向けた官民を挙げた経済活動の回復」が1兆8482億円で、緊急の感染症対策よりも、新型コロナ収束後の「次の段階」の予算が上回る内容となっている。

 感染・医療対策予算のうち、1兆円は地方自治体に配分するお金のため、医療政策などを担う厚生労働省が取り扱う分は、特別会計を除くと7270億円にとどまる。国民が待ち望むワクチン・治療薬の開発促進に275億円▽新型コロナウイルス感染症患者の入院医療費負担や服薬指導、薬剤の配送に188億円▽PCR検査の実施強化に49億円――といった内容だ。厚労省は「必要な分を必要なだけ確保した」としているが、観光旅行や外食を補助する「Go To キャンペーン」に1・7兆円を計上していることと比較すると、優先順位が違うと思わざるを得ない。

 どうしてこのような予算になってしまったのか。内閣官房参与を務めた藤井聡・京都大教授(公共政策)は、「各国の…

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