「黒電話からスマホに変わった衝撃」米新型宇宙船、打ち上げへ…野口さんは8月にも搭乗

 【ワシントン=船越翔】米航空宇宙局(NASA)と米宇宙企業スペースXは27日(日本時間28日午前5時33分)、フロリダ州のケネディ宇宙センターから、国際宇宙ステーション(ISS)に向け、米国の宇宙飛行士2人を乗せた新型の民間宇宙船「クルードラゴン」を打ち上げる。米国による有人宇宙飛行は2011年以来9年ぶりで、今後の月面探査などに向けた試金石となる。

 NASAのブライデンスタイン長官は26日、野口聡一飛行士(55)が搭乗することが決まっている次のクルードラゴンについて、今回の打ち上げが成功した場合、「8月30日の打ち上げを目指す」と明らかにした。

 同社が開発したクルードラゴンは上部が丸みを帯びた円筒形(直径4メートル、高さ8メートル)で、最大7人が乗ることができる。機体の操作はタッチパネル方式だ。野口さんは、スペースシャトルなどでの経験を引き合いに「黒電話からスマートフォンに変わったような衝撃。近未来という感じだ」と話す。

 非常事態が起きた場合は、脱出システムが作動し、宇宙船がロケットから分離する仕組みになっている。ISSとのドッキングは基本的に全自動だが、トラブルに備え、宇宙船を手動で操作するテストも実施する。

 有人での初飛行だけに、NASAは、20年の豊富な経験を持つダグラス・ハーレー(53)、ロバート・ベンケン(49)両飛行士を起用した。2人ともスペースシャトルに2回の搭乗経験がある。ベンケンさんは20日の記者会見で「新たな宇宙船に乗ることは夢の仕事であり、喜びと責任を感じている」と語った。