「カイロ大学卒業は嘘」小池百合子東京都知事の学歴詐称疑惑 元同居人が詳細証言 - 「週刊文春」編集部

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 7月5日に迫る東京都知事選。小池百合子都知事の圧倒的優位と見られているが、そこで改めて注目されるのが、小池氏の「選挙公報」に書かれる経歴だ。

【画像】「カイロ大学卒」と紹介された1976年10月22日のサンケイ新聞

 小池氏には、1992年に日本新党から政界に打って出て以来、幾度となく疑惑の目を向けられる「学歴詐称」疑惑がある。これについて、ノンフィクション作家の石井妙子氏が、小池氏とカイロで共に暮らし、小池氏のカイロ大学生活を誰よりもよく知る元同居人女性の早川玲子さん(仮名)から詳細な証言と当時の手帳や写真などの資料提供を得て取材をし、「小池さんはカイロ大学を卒業していない」との詳細な証言を得た。

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小池百合子都知事 ©共同通信社

 小池氏はこれまで、72年にカイロ大学文学部に入学、76年に卒業したと自著やインタビューで語ってきた。

 だが、小池氏が卒業したと主張している76年7月、カイロ大学での試験結果が発表された際、落第し、ふさぎ込んでいた彼女の様子が早川さんの記憶に強く残っている。当時2人が同居していたアパートの同じ階にはカイロ大学文学部の教授が住んでいた。思いつめた小池氏は「どうしたらいいのか、聞いてくる」と部屋を飛び出したが、戻ってくると、早川さんにこう言った。

「あなたは最終学年じゃないから、追試を受ける資格はないって。そう言われた」

 76年時点で、最終学年に進むことすらできていなかったのだ。

 そんな小池氏だが、直後の76年秋、彼女を取り上げたサンケイ新聞(10月22日)と東京新聞(10月27日)は、小池氏へのインタビューをもとに「カイロ大学卒」と紹介している。

 経緯をめぐる早川さんの証言は詳細を極めた。76年9月下旬、小池氏は父親から「大急ぎで日本に帰ってこい」との連絡を受けて、すぐさま日本へと帰国。そして11月、カイロに戻ってきた小池氏は、早川さんに新聞を見せた。

「目を疑いました。『カイロ大学を卒業した小池百合子さん』と書かれていたからです」

 早川さんが「そういうことにしちゃったの?」と尋ねると、小池氏は「うん」と答えたという。

 これまで学歴詐称疑惑が浮上するたびに、小池氏は卒業証書を一部メディアで公表し、噂を否定してきた。前回の都知事選前にも『とくダネ!』(フジテレビ系、2016年6月30日放送)で卒業証書を示している。しかしこの卒業証書自体にも、前述の新聞記事と矛盾する記述があり、石井氏によるカイロ現地取材では、さらなる疑問点も浮上した。

 小池氏に質問状を送ったが、締め切りまでに回答は得られなかった。

 5月28日(木)発売の「週刊文春」では、早川さんの証言で明らかとなったカイロ大首席卒業の真相、エジプト現地取材をはじめ100人を超える関係者の証言をもとに書かれた石井氏の新著『女帝 小池百合子』(文藝春秋刊)で明かされた秘話、小池氏と舛添要一氏との熱愛などを詳報している。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年6月4日号)