水道修理中の業者がファインプレー 特殊詐欺を未然に防ぎ感謝状 愛媛

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 もしや今まさに詐欺に遭っているのでは――。愛媛県新居浜市内の80代女性宅を水道工事に訪れた業者の男性が、警察をかたった特殊詐欺の電話を受けている現場に偶然居合わせ、水漏れのみならず詐欺被害も防ぐファインプレーがあった。

 男性は水道工事会社「水のサポート愛媛」(本社・松山市)の社員、平田誠さん(45)。事件は1日午前、警官を名乗る男の1本の電話から始まった。トイレで作業をしていた平田さんは、電話の会話を断片的にしか聞いていなかったが、キャッシュカードの暗証番号を女性が口にしたことでピンときた。

 もしやと思い電話を切った女性に事情を聴いたところ「捕まった詐欺グループが私の通帳から預金を下ろした、と説明を受けた」とのこと。詐欺を確信して県警新居浜署にすぐさま通報、事なきを得た。署は詐欺未遂容疑で捜査を進めている。

 平田さんは毎日新聞の取材に「女性は気が動転していて最後まで(電話口の)男のことを警察官だと信じていた。被害を防げて本当によかった」と胸をなで下ろした。同署は平田さんに感謝状を贈った。【遠藤龍】