トランプ氏、中国に厳しい措置か「とても興味深いものになる」

 【ワシントン=海谷道隆】米国のトランプ大統領は26日のホワイトハウスでの記者会見で、中国が香港に国家安全法制度を導入した際の対応について「今週末までに明らかになるだろう。とても強力なものだ」と述べ、厳しい措置を打ち出す可能性を示唆した。

 トランプ氏は制裁を科すかどうかを問われると、「何らかの措置を取ろうとしているところだ。とても興味深いものになるだろうが今日は話さない」と語り、詳細は明らかにしなかった。ロバート・オブライエン国家安全保障担当大統領補佐官は24日、国家安全法制度が導入されれば「制裁を科すことになるだろう」との見解を示していた。

 ブルームバーグ通信によると、米政権は中国当局者や金融機関などへの制裁を検討しているという。

 ケイリー・マクナニー大統領報道官は26日の記者会見で、トランプ氏が「中国が香港を乗っ取ることになれば、香港が金融拠点としての地位を維持するのは難しい」との認識を持っていると説明した。

 中国が香港での導入を進める国家安全法制度は、国家分裂や中央政府転覆を狙う活動などを禁止するものだ。中国の全国人民代表大会(全人代=国会)は28日、法制度を整備する方針を決議する見通しだ。禁止対象や罰則などの具体的内容は明らかにされていない。