インド、地方での新型コロナ感染拡大の危機 多数の出稼ぎ労働者が帰省
インドの新型コロナウイルス感染者は14万5380人、死者は4167人に増加した。世界で2番目に人口が多いインドだが、死亡率は大半の国よりも低水準にとどまっている。一方、当局は、都市部にいる多数の出稼ぎ労働者が帰省し、それによって地方で感染が拡大すると警戒している。
保健当局によると、人口10万人当たりの死者は0.3人で、当局が世界平均とする4.4人を大きく下回っている。
ただ、大都市から帰省する何百万人もの出稼ぎ労働者の間で感染が広がっており、今後医療体制がぜい弱な地方の村などで感染が急速に広がる恐れがある。
モディ首相が3月下旬に全土のロックダウン(都市封鎖)を宣言して以降、ムンバイやデリーなどの大都市から少なくとも450万人の労働者が帰省した。
東部ビハール州では25日、新たに160人以上の感染が確認され、1日の感染者としては過去最高を記録。感染者は合計2700人を超えた。
南東部オリッサ州では直近48時間で75人以上の感染を確認。北西部ラジャスタン州でも176人の感染が報告されるなど、地方で感染が広がっている。
ビハール州の州都パトナの保健当局者は「ニューデリーから帰省した労働者の多くで陽性反応が出ている。感染した人が村に入らないようにしている」と説明した。
地方で感染者は急増しているが、ウイルス検査体制は十分に整っておらず、当局は対応に追われている。
[ロイター]
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