「香港の自治尊重を」 EU大統領、中国に自制求める
【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)のミシェル大統領は26日、中国政府が反体制活動を禁じる「香港国家安全法」を制定しようとしていることについて「香港の高度な自治が守られることを非常に重視している」と述べ、中国側に自制するよう求めた。安倍晋三首相とのテレビ会議後の記者会見で語った。
ミシェル氏は、EUは中国の「一国二制度」を尊重するとした一方、「中国の振る舞いに甘い考えは持っていない」と語り、中国の行動を注視する考えを示した。中国について、日本とは同じ考えを共有しているとも述べた。
北京で開催中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は28日、香港国家安全法の制定方針を採択する。今夏にも香港立法会(議会)の手続きを経ずに施行される見通しだ。香港に集会やデモの自由など高度な自治を認めた「一国二制度」は存亡の機に立たされている。