夏場でも運動中のマスクは必要? 熱中症リスク 学校再開で体育、部活どうする
by 会員限定有料記事 毎日新聞夏でも運動中にマスクは必要?――。気温が上昇する季節を迎え、マスクを着けての運動は熱中症のリスクが高まると指摘されている。新型コロナウイルスの影響による政府の緊急事態宣言が解除されて学校再開の動きが本格化する中、体育の授業や部活動、ジョギング中などの感染防止をどう図るべきか。【尾形有菜】
スポーツ庁は5月21日、全国の教育委員会などに対し、学校での体育の授業中のマスク着用について具体的な対応策を通知した。マスクを外している間は「児童生徒間の距離を2メートル以上確保する」「教師や見学児童はマスクを着用する」とした上で、呼吸困難や熱中症のリスクを避けるために体育をする児童や生徒は「マスクの着用は必要ない」との見解を示した。部活動についても「ある程度準拠してほしい」と言及している。こうした指針について、スポーツ庁の担当者は「あくまで体育の授業に関すること。熱中症と感染予防の両方のバランスを見て判断した。体育の授業に関しては、通知を参考にしてほしい」と説明。文部科学省も22日に体育の授業でマスクを着ける必要はないとの方針を明らかにした。
日本スポーツ協会(JSPO)は21日、スポーツ活動再開時の注意点について、「スポーツ活動中も飛沫(ひまつ)の拡散を防止するため、できるだけマスクの着用をすることが望まれる」と指針を発表。呼吸困難に陥るのを避けるため、「これまでよりも運動強度を落として」とした。
しかし25日には内容を一部修正し、「スポーツ活動に支障のない範囲でマスクを着用する」としつつ、スポーツ庁の通知を踏まえ、マスクを着用しない場合は「周囲の人との距離を十分に空けるよう心がけて」と呼びかけている。JSPOスポーツ医・科学委員会の川原貴委員長は「体育のように、どこの誰と運動をしたか特定できるものは、マスクの着用は必ずしも必要ではないと思う。ただし、ジョギングや地域スポーツなど不特定多数と運動をする際はマスクを着用した方が良い」と運動時の環境や条件に応じた対応を求めた。
一方でスポーツの現場からは、感染予防をし…
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