マクロン氏「仏自動車業界はより環境に優しく」…80億ユーロ支援を表明

 【ロンドン=池田晋一】フランスのマクロン大統領は26日、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた仏自動車業界に対し、総額80億ユーロ(約9400億円)を支援すると表明した。引き換えに仏国内への生産回帰を求め、自動車産業の雇用維持を図る。

 仏自動車メーカーの環境性能車の開発を後押しするほか、デジタル化や生産自動化などを進めるため10億ユーロ弱の基金を創設する。電気自動車(EV)の普及拡大のため、消費者への購入補助金を7000ユーロ(約82万円)に引き上げる。

 マクロン氏は26日の声明で、「今回の支援策で、フランスの自動車業界はより環境に優しくなり、競争力も高められる」と述べた。

 ルノーなど仏自動車メーカーは、新型コロナによる生産停止や需要低迷で業績が大幅に悪化しており、生産能力の縮小など合理化が避けられない見通しだ。