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政府は、事業規模117.1兆円の新型コロナウイルス追加対策の概要を固めた。都内で26日撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

新型コロナ対策追加に伴う第2次補正予算案のまとめ

政府は27日、事業規模117.1兆円の新型コロナウイルス追加対策の概要を固めた。2020年度2次補正予算案に盛り込み、今夕閣議決定する。主な内容は以下の通り。

1)雇用調整助成金の拡充

・日額上限を1万5000円(月額33万円)に引き上げ。適用期間は4月1日に遡及の上、9月30日までとする。緊急対応期間も9月30日まで延長し、解雇等を行わない中小企業の助成率を10分の10とする。

・雇用調整助成金に代わり労働者自らが直接申請できる新制度を創設。対象は中小企業の労働者で、平均賃金の80%を支給する。日額上限を1万1000円とし、新制度と雇用調整助成金とで月額上限33万円に。適用期間同。

2)資金繰り対応の強化

・中小・小規模事業者向け融資
日本政策金融公庫と商工中金の無利子・無担保融資規模を大幅に拡充。民間金融機関の融資規模も拡充。

・中堅・大企業向け融資
日本政策投資銀行と商工中金の危機対応融資規模を十分に確保するとともに、海外日系子会社向け融資に対する日本貿易保険による保険引受枠を拡充。

・資本性資金の活用
日本政策投資銀行、商工中金、日本政策金融公庫等において劣後ローンを実施するとともに、日本政策投資銀行、産業革新投資機構、地域経済活性化支援機構および中小企業基盤整備機構において出資等を実施。

・金融機能の強化
金融機能強化法に基づく民間金融機関に対する資本参加スキームの期限を延長するとともに、資本参加枠を拡充。

3)家賃支援給付金の創設

・5月の緊急事態宣言延長で売上急減に直面する事業者(1カ月で売上が前年同月比で50%以上減少、または連続した3カ月間で売上が前年同期比で30%以上減少)を下支えするため、「家賃支援給付金」を創設。

・給付率は3分の2、給付上限額(月額)は法人50万円、個人25万円とし、6カ月分を給付する。

・複数店舗所有など家賃の総支払額が高い場合は、月額家賃のうち上限超過額の3分の1を給付する例外特例を設け、給付上限額を法人100万円、個人50万円に引き上げ。

4)学生支援緊急給付金の創設

・学生支援緊急給付金を創設し、5月19日に対策予備費の使用を決定した。今後速やかに実施に移すとともに、家計が急変し経済的理由で学業継続が困難な学生等に授業料減免を行う場合、国として必要な支援を行う。

5)医療提供体制の強化

・新型コロナ緊急包括支援金を1次補正措置含め、全額国費負担とするとともに大幅な積み増しを行う。重点医療機関を中心とした治療体制構築に向け、診療報酬のさらなる増額と併せ、空床の場合の収入を保障する額を交付する。

・重点医療機関や受け入れ医療機関等の医療従事者や職員に対し、慰労金として最大20万円を給付する。

・医療用マスク・ガウンなどの買い上げを強力に進めるとともに、ワクチンの早期供給を図るため、開発と並行して国内生産体制の整備を促進する補助制度の創設を行う。

6)その他支援

・「新たな生活様式」への対応を図るため新型コロナウイルス感染症対応地方創生交付金を拡充。

・児童扶養手当受給世帯に対し5万円(第2子以降3万円加算)を支給。

・児童扶養手当の支給を受けていない、ひとり親世帯について、新型コロナの影響を受けて収入が減少したことが確認されれば一世帯5万円を加算。

・フリーランスで収入や事業の実態を把握できる定型的な書類があれば持続化給付金の給付対象とする。

・農林事業者が新たな生産・販売方式の確立に取り組むことを支援するため、経営継続補助金を創設する。

・文化芸術・スポーツ団体やフリーランスの活動継続・再開を支援するため、活動継続・技能向上等支援事業を創設する。

・行政部門のテレワーク環境を整備するとともに裁判手続きのリモート化を推進する。

・安心して通勤・通学・通院ができるよう、地域公共交通の感染防止対策補助金を創設する。

・生活困窮者の自立相談支援の強化や住まい対策の拡充、児童虐待・DV防止対策の推進、外国人労働者の相談支援体制の強化、消費生活相談体制の強化を行う。

・学校がこれまでの臨時休業から円滑に再開できるよう必要となる教職員などの人材確保を支援する。光ファイバーの整備も促進する。

・AI等の技術も活用し、新しい生活様式のあり方を分析する。マイナンバーカードを用いたオンライン申請の推進のため、システムの性能を増強する。

7)新型コロナウイルス感染症対策予備費

・状況変化に臨機応変な対応ができるよう、予備費をさらに積み増し今後の対応に万全を期す。

[ロイター]

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